80年代に、東北の片田舎から上京してきた頃、
いつも自分自身カフェでくつろいでいた。
カフェ、とはいっても、当時のカフェは今とは全く違う。
新宿、渋谷、下北沢にあった。
ジャズ喫茶といわれるものが、僕らにとってのカフェだった。
カフェの意味って、何だろう。
今では、スターバックスだったり、タリーズだったりする、
コーヒーを主体とする飲食の空間であることは、当時と今は変わらない。
僕らがいたカフェ=ジャズ喫茶は、沈黙のアートスペースだった。
それは、およそが、ビルの地下か、あるいは階段を上ったビルの3階だったりして、
たいがいが立地が今ひとつよろしくない、けれど何か秘密めいた場所だった。
まずはドアの前まで行くのが結構一苦労だったり、
そして、ようやく見つけた扉をあけると、
いきなり、ピアノ、サックス、トランペットの大音量の音が全身を包み込んでくる。
そして、タバコの煙。
その頃、もっともはまっていたのがジョン・コルトレーンン至上の愛。